<Header>
<Author: 崔塗>
<Title: 孤雁>
<Format: 五言古詩>
<Year: 1990>
<BookName: 唐詩三百首詳解  下卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 孤雁>
<BookPage: 298>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
幾行歸去盡，
片影獨何之。
暮雨相呼失，
寒塘獨下遲。
渚雲低暗度，
關月冷遙隨。
未必逢矰繳，
孤飛自可疑。
<End Poem>
<Translation>
幾つかの列をなして飛ぶ雁は、すっかり北方の辺塞の方角に飛び帰ってしまった。それなのに、群れを離れた孤雁よ、おまえはいったい、ひとりでどこに行こうというのかとわたしは思う。 
夕暮れの雨の中に仲間を呼びつつも見失ってしまい、まだ寒々とした池の堤に、舞い降りようとしてためらっているようすだ。 
中洲のあたりに見える雲の低く垂れこめたあたりを、ひそやかに孤雁は飛び渡って行き、関塞の月光が、ひややかに照りわたる中をその光につき従うかのように飛び続ける。まだ、いぐるみに射当てられたわけではないが、その災いに出あう心配が、ただ一羽飛ぶ身には、おのずとわくにちがいない。
<End Translation>
<Formatted Translation>
幾つかの列をなして飛ぶ雁は、すっかり北方の辺塞の方角に飛び帰ってしまった。それなのに、群れを離れた孤雁よ、おまえはいったい、ひとりでどこに行こうというのかとわたしは思う。 
夕暮れの雨の中に仲間を呼びつつも見失ってしまい、まだ寒々とした池の堤に、舞い降りようとしてためらっているようすだ。 
中洲のあたりに見える雲の低く垂れこめたあたりを、ひそやかに孤雁は飛び渡って行き、関塞の月光が、ひややかに照りわたる中をその光につき従うかのように飛び続ける。
まだ、いぐるみに射当てられたわけではないが、その災いに出あう心配が、ただ一羽飛ぶ身には、おのずとわくにちがいない。
<End Formatted Translation>